FEATURED TECHNOLOGY
DefiniGEN は、2013年の創業以降、コア技術である化学的に同定された系を用いたヒトiPS細胞からの内胚葉系分化誘導の技術をベースに、バイオ・医薬業界におけるトレンドに柔軟に対応しながら着実にビジネスを成長させているスタートアップ系企業である。 同社は近年、CRISPR/Cas法による代謝系疾患モデル細胞の作製プロジェクトを主に米国の製薬・バイオ企業から多く受注している。背景には、Orphan Disease Act と称される希少疾患薬の開発に関する助成プログラムが米国政府から発動されていながらも、希少疾患細胞の入手が困難であるという事情があった。現在は米国に限らず、多くの国からの受注によるプロジェクトが動いている。 DefiniGEN の大きな特徴は、複雑なライセンスが存在する、CRISPR/Casゲノム編集と、iPS細胞を作製し特定の細胞種に分化誘導するという二つのライセンスをクリアすると同時に、関連する技術を持つエキスパートを自社内に抱えているという点であり、「①iPS細胞の作製(初期化)、②CRISPR/Cas によるゲノム編集、③肝細胞を中心とした目的の細胞までの分化誘導、④独自の凍結保存技術を介した国際輸送」までのプロセスを全て自社内で完結できることであり、初期段階における小規模検討から数十バイアル規模の細胞量産までのプロセスを、専任の担当者が顧客との対話を重視しながら短期に進められることである。 このため顧客における繊細な開発情報(疾患ターゲット)等についても、DefiniGEN内の限られた担当のみが把握するため、情報管理といった点においてもメガファーマを中心とした製薬企業からの信頼を得ている。 また、本手法を用いる場合、敢えてゲノム編集により疾患化していない細胞も同時に得ることができ、いわゆるisogenic controlとして、創薬の場に最適な細胞種を届けることが可能となっている。これは、CRISPR+iPSの組合せならではの特徴と言えよう。
ビジネスモデル
多くの疾患モデル作製プロジェクトは、いわゆる「カスタムモデル」として顧客との直接的なプロジェクトによって形成されるが、それ以外に幾つかのビジネスモデルが存在する。
完全独占型プロジェクト(作製後の細胞は、基本特定の顧客のみへの提供)
準独占型プロジェクト(独占期間を設定し、その後はカタログ品として提供)
OTS (on-the-shelf) 品(いわゆるカタログ品として広く供試される)
カスタムモデルを作製する過程では、DefiniGENならびに顧客のリスクを最大限に配慮した設計を行い、各段階におけるマイルストーン制を敷き、同時に課金の対象としている。例えばの例であるが、「CRISPR/Cas導入→小規模ロットにおける分化誘導(疾患発現を確認)→大規模ロットにおけるバイアル獲得後凍結→専用培地の最適化と品質保証→納品」といったマイルストーンを定め、双方が達成度を確認しながら作業を進めていく方式を採用している。
実績(疾患種)
現在までの実績(一部)を下記に紹介する。
Gaucher disease
Acute intermittent porphyria
Genetic cholestasis (PFIC, TGP2, and Alagille syndrome)
Familial hypercholesterolemia
Wilson’s disease
Organic acidurias
Hereditary hemochromatosis
Cystic fibrosis
Tyrosinemia type 1
Erythropoietic protoporphyria
Alpha-1 antitrypsin deficiency (A1ATD)
MCAD deficiency
Arginosuccinic aciduria (ASL)
D-bifunctional protein deficiency
Glycogen storage disease (GSD) type 1 (GSD1)
Galactosemia Type 1
Urea cycle disorders
Citrullinemia
Crigler-Najjar syndrome
Familial amyloid polyneuropathy
Primary hyperoxaluria type 1
Atypical haemolytic uremic syndrome 1
Maple syrup urine disease (MSUD)
またDefiniGENでは、日本において本疾患モデルのコンセプトを更に広げて頂けるビジネスデベロップメントパートナーを募集しています。
詳細はお尋ねください。
